1. 飼育

子犬が来たら新しい環境に慣れるまでなるべくそっとしておきましょう。

母親から離され、いろいろな人間に触られ運ばれたワンちゃんは心細い気持ちで緊張し疲れています。あまりかまい過ぎると疲労とストレスにより体調を崩し病気を誘発する事もありますので気をつけましょう。2週間位は、特に体調に気をつけ便の状態をよく見ていて下さい。環境の変化で便がゆるくなることがあります。下痢が続きおかしいと思ったら獣医さんの診察を受けてください。虫下しは予防的に飲ませていますが、体調の悪いときに寄生虫が発生することがあります。

犬舎・ゲージは身体の大きさに応じた充分な広さのものを用意しましょう。

定期的に掃除をし、清潔に保つ事も大切です。また、危険物や毒になるもの(観葉植物など)の管理をすることも必要です。床は、フローリングはツルツル滑るためワンちゃんの正常な足までも痛めてしまい、特にプードルは膝蓋骨脱臼や股関節脱臼の原因を作ってしまう事がありますので、滑らないような工夫をしてあげてください。

寒い季節の際は、寝床は暖かくしてあげてください。(ペットヒーターの使用など) また、夏の暑い時期は閉めきった部屋は予想以上に温度も湿度も上昇します。ワンちゃんを残して留守にするときはエアコンなどを使用し、室内の温度を一定に保ち熱中症予防に心がけて下さい。ペット用の冷却グッズもお勧めです。

2. 食餌

良質なドッグフードと新鮮な水を与えて下さい。成長期に必要な栄養が含まれている幼犬用フードがお勧めです。

ドッグフードは、生後3ヶ月位までは、お湯でふやかして1日2回~3回食べさせてください。与える量は1回量約(15g~20g)位与えます。便の状態を見ながら調整していきます。

餌を切り替える場合は、持たせた餌が半分位になりましたら、お手持ちの餌と混ぜて徐々に切り替えて下さい。

人の食事はナトリウムの過剰摂取となり病気を招く恐れがあります。また、与え過ぎによる肥満も健康にとっては好ましくありません。

〈与えてはダメなもの〉

ネギ類は溶血(赤血球が壊れる事)を引き起こす中毒物質を含んでいます。また、チョコレートにはテオブロミンという毒素が含まれています。鶏の骨は、噛んで裂けると針のように鋭利な形になり胃腸に刺さると危険です。牛乳も下痢を起こすことがあります。

3. 運動

散歩はワクチン接種が終了してから始めましょう。

必要な運動量は品種や年齢により異なります。子犬のうちは無理をさせず室内で遊んであげる程度で充分です。

散歩のときは必ずリードにつなぎ、排泄物は持ち帰ります。犬は汗をかけず、焼けた路面で肉球を火傷する恐れがありますので、夏場の暑い時間帯の散歩は避けるようにしましょう。

4. 手入れ

ワンちゃんの健康を保つには日頃の手入れが欠かせません。体中をくまなく触れることは病気や異常の早期発見にもつながります。トリミングは、ワクチン接種が終了してから2週間以上たってから可能です。

☆ブラッシング

皮膚と被毛の汚れを取り除きツヤを与えると同時に皮膚の血行を良くする効果も期待できます。

☆シャンプー

回数は、飼う場所や毛の長さなどによって異なります。

平均、月1回から2回を目安に洗ってあげましょう。

☆つめ切り

伸びすぎた爪を放置すると、折れたりはがれたりして危険です。

伸び具合を調べ、伸びていたら切るようにしましょう。爪切りはペット専用のものを使用して下さい。

☆耳掃除

耳の中も定期的に掃除します。

汚れがひどかったり臭いがきつい場合は病院を受診したほうが良いでしょう。

綿棒などを使って無理に掃除すると、粘膜を傷つけたり汚れを奥へ押し込む恐れがあるので控えて下さい。

☆歯の手入れ

人間と同様ワンちゃんにも歯垢や歯石が付着します。汚れを放置したままにしておくと歯槽膿漏や心臓・腎臓などの病気を招く恐れがあります。

歯磨き効果のあるおもちゃを与えたり、犬用の歯ブラシやガーゼを指に巻いてこすってあげると効果的です。

5. しつけ

動物が家庭や人間社会の中で一緒に生活していくためのルールを教えることがしつけです。しつけのこつは、叱るのではなく褒め、できたら大げさに褒めて教える事と根気よく教える事です。

体罰・大声・おどしは絶対に避けるようにして下さい。

トイレのしつけですが、1番時間がかかるものです。根気よく教えてあげて下さい。

寝起き・食後・遊んだ後などよく見ておき仕草を見せたらすぐにトイレへ連れていく、これを繰り返し教え出来たら大げさに褒めてあげて下さい。

ペットシートを破いてしまう子は、メッシュで押さえるタイプのトイレがお勧めです。

夜泣きですが、ワンちゃんは、親兄弟・他大勢のワンちゃんに囲まれて育っています。環境の変化でしばらくは寂しくて泣くと思いますが、無視して下さい。又は、おもちゃを与えてみてください。

6. 病気

☆かかりやすい主な病気

①寄生虫症

回虫・鉤虫・条虫など腸管内に寄生するものは、病院の便検査で発見できます。

下痢や食欲不振などが主な症状で、放っておくと死亡することもあります。

寄生虫の種類に応じた駆除薬の投与により駆除できます。

②パルボウイルス感染症

嘔吐・下痢が主な症状で、子犬では発病してから1~2日のうちに死亡してしまいます。予防ワクチンがありますので、生後2~3ヶ月になったら接種してください。

その他ウイルスによる感染病はジステンバー・伝染性肝炎・アデノウイルス・パラインフルエンザ・コロナウイルス・レプトスピラなどワンちゃん同士で感染する病気です。

③犬フィラリア症

長さ15~30㎝にも達するそうめん状の細い虫が心臓や肺動脈に寄生する病気です。蚊に刺される事で感染します。寄生数が多いと心臓の機能に障害を与え、放っておくと心不全で死亡する事もあります。病院の飲み薬などで予防できますので、蚊の出始める時期(5月)から蚊がいなくなって1ヶ月後まで投与しましょう。

 

☆人と動物との主な共通感染症

①狂犬病

感染した犬などの動物に噛まれてうつる恐ろしい病気です。

温血動物は全て感染します。感染すると現代でも治療法はなく、人も動物も100%死亡します。日本では昭和32年以降流行はありませんが、世界では現在でもほとんどの国(地域)で発症し、年間3万人以上の人が死亡しています。

(狂犬病予防法により、生後91日以上の犬には登録と狂犬病予防注射が義務付けられています)

②皮膚糸状菌症・かいせん症・白癬菌症

糸状菌(カビの仲間)やかいせん(ダニの一種)による皮膚病は、人にもうつる事があります。また、人の水虫(白癬菌)は人から犬にうつる事があります。

③エキノコックス症(多包条虫)

本来キツネと野ネズミの間で感染している寄生虫病です。犬は野ネズミを食べたり口にくわえたりする事で虫卵が体内に侵入し感染、ほとんど症状を示しませんが、虫卵が人の口に入ると子虫が肝臓などに寄生して長い年月の後に肝障害などの症状を起こします。流行地は北海道なので犬を連れて旅行するときは犬が野ネズミなどを食べたり口にくわえないように気を付ける必要があります。犬に寄生したエキノコックスは薬で駆除できます。

 

☆トイプードルのかかりやすい病気

7.健康管理と予防方法

動物がかかる病気は、感染症・腫瘍・生活習慣病など人間と同じようにたくさんあります。

病気を早期に発見するためには、常に元気・食欲・尿や便の状態などに注意することが必要です。

良いホームドクター(獣医師)を決めて、様子がおかしい時は早めに受診して下さい。普段からバランスのとれた食事や適量の運動に気をつけ、ワクチンや薬で予防する事がいちばんです。

8.自宅でそろえる必要物品

ゲージ又はサークル・水飲み・ドックフード&フード入れ・トイレ・ペットシート・シャンプー(添加物の少ない低刺激性のもの)・ブラシ・爪切り

最後に・・・・

ワンちゃんを始めて飼われる方は、

ぜひ1冊は本を読まれた方がスムーズにいきます。

これからワンちゃんとの楽しい生活が始まります。

困ったこと、分からない事がありましたらいつでもご相談ください。

又、いつでもお気軽にプリティードッグへ遊びにいらして下さい。